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旧洋学資料館

 

所在地  津山市
主要用途 資料館
敷地面積 668.11㎡
建築面積 306.37㎡
延床面積 254.02㎡
構造規模 木造平屋建(増築部分)
撮 影   スタジオレム 平桂弥
※共同設計
 旧洋学資料館は津山市の古い町並みが残る城東重伝建地区から少し外れた位置に建つ。出雲街道沿いに大正9年に建てられた銀行建築(旧妹尾銀行林田支店)の改修である。今回の計画は、昭和52年に洋学資料館としてリノベーションされた施設を、新たにイベントや展示を行うために、既存建物の改修とそれに付随する建物の増築を行った。
 与条件ではあるが、津山市の文化財に指定されている部分は、既存建築に一切の加工を施すことができない。これは、そのまま、この改修計画のコンセプトになった。
 津山の名棟梁池田豊太郎により建てられた本館棟は文化財で、近代和風の堂々たる木造建築である。旧事務スペースの床のみが文化財から外れているため、床の計画に終始した。空調設備・電気・通信を床下に内蔵させ、床からの支持だけでオリジナルの照明器具を立ち上げている、既設の間仕切りは全て撤去し、新規家具でスタッフのコーナーを確保している。
 レンガ造(イギリス積み)の倉庫も、洋学資料館時代に施工された展示ケース・露出電気配管のほとんどを撤去、既存のレンガの壁が見える、当時の姿に戻すことを基本とした。この建物も床は加工が可能で、床にトレンチを切って、空調配管・電気配管を計画して有る。管理に必要な事務スペースは、間仕切りを造るのではなく、人の背くらいの家具を配置することでそれに当てている。
 今回の増築部分は、旧洋学資料館開館のときに造られた附属棟と連続する形で、出雲街道側に多目的便所と小さな店舗、裏側に倉庫を計画した。また中庭もイベントなどに積極的に活用できるよう、スロープを新設し動線計画を再構成している。
 今回の計画は創建当時に復元することが目的ではない。出雲街道に面した、近代和風建築とレンガ造の倉庫・塀で構成されたこの建築群が、現代社会の中で有効活用されながら、人々の心に変わらない風景となって受け継がれていくことを望むものである。